昔の人は、人生の無常や地獄の恐怖を逃れるために仏教の道に入った。現代の人々には、また現代の無常や地獄がある。それは科学の進歩がもたらした、利益追求のための大量生産の競争社会における家族、教育、職場などの人間関係のひずみによる苦悩である。それは人心の荒廃、落ちこぼれの失意、嫁姑、老人問題、心身の病の苦しみ、男女の情愛、失恋、離婚の悩みなど数え上げればきりがない。
仏教はしかし、これら新しくて古い人間の苦悩の根源を見定め、その苦悩を救うために説かれた教えである。だから、ひとえに仏教を信じて帰依し、釈尊のやられたように坐禅を行じることによって現代の苦悩を超克し、平安にして充実した生活を迎えることが切望される。 |